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溶かされてみる?
第6章 嫉妬
あったかい…
「ん…んん…」
あたしは心地いい暖かさを感じつつ、目を覚ました。
「起きたか」
そう言ってあたしの目の前に現れたのは、あたしをあの時助けてくれた祈織先生だった。
「あ!あたし!…ッ!!」
起き上がろうとするあたしを拒むかのように身体が軋みように痛む。
けど倉庫の時にいたときより痛みは少し軽かった。
「いくら手当したからっていっても怪我人なんだから急に動くな。」
そうぶっきらぼうに言いつつも祈織先生はあたしを心配そうに見てくる。
「手当って先生わざわざしてくれたんですか…??」
あたし初っ端から、先生に失礼な態度しかとってないのに(まあ一応ちょっかい出されたからなんだけど)なんでここまで…
「ま、一応保健室の先生だから」
あと家でも先生じゃなくていい、暁翔でとあたしに言うと、急にあたしの頭を撫でた。
え…??
まさか撫でられるなんて思ってなかったあたしは、暁翔さんをみながら目をパチパチさせていた。
「よく耐えたな。あそこまで」
暁翔さんは不器用な手つきであたしの頭をポンポンした。
「先生!なんで知って」
暁翔さんからあたしを助けに来るまでの話を聞いた。
あたしをリンチしたファンクラブのこと
あたしがいないのを必死に探し回っていた融那のこと
融那とファンクラブの何人かが話していた内容を聞いて駆けつけたこと
駆けつけた時にあたしはもう意識がなくて急いで家に帰ったこと。
そんなことが知らない間に…
しかも融那…探しててくれてたんだ。
あたしが、融那のいったこと聞かなかったからこんなことになったのに…
そう思うとなんだか自分が情けなくなってきたのと、再び涙が出てきた。
そんなみっともない姿を暁翔さんに見られたくなくて、あたしは布団をかぶった。
「ふぅ…ッ…くっ…ひっく…」
「おい」
泣いているあたしに布団越しに暁翔さんが呼ぶ。
「顔出せ」
「い…やです…うっ…ひっ…ぅ…」
泣きながらそう答えると不意に布団を剥ぎ取られ、そのまま抱きしめられた。