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Laziness と Hard working
第12章 坪倉の苦悩
会社の同僚も知らない
結婚した女にさえ話せなかった
時期が来たら話すはずだった
裏切った
寂しいから
他の男に優しさを求めた
初めから結婚したくなかったのかもる
と、別れ際のひとこと
坪倉雅貴 は、本当の名前
経歴に嘘がある
会社は父の物だ
重役は親族で固められ
誰を俺の嫁にするかと
くだらない話にいちいち呼び出す
別に会社なんて要らない
好きに暮らせるならくれてやる
私利私欲にまみれた会社なんて
自分で立ち上げる会社には
あいつらは入れない
血縁さえ切っても良いと思う
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杏
坪倉って聞いたって知らない顔
会社名を言っても
“大きい会社なの?”
てんでズレてる
あの日 杏以外は
会社名を言うと
エリートだよね⁉
とか色めきたつ
杏はまるで興味を示さなかった
初めてそんな人間に会った
大概、羨望の眼差しになるが
敵対心を燃やす人もいる
杏は仕事にも俺にも
興味がない様子だった
逆に戸惑う
そして何か焦る
この人の興味を引きたくなる
なのに何も知らないまま杏は消えた
次に誘う理由さえ考える間もなく
オレの前から消えた
焦った
必死に杏のことを聞いたよ
不思議な子だと周りに言われている
可愛いのに自覚ないし
興味がなければ全く目も向けないと
何だよ!
やっと出会えた人
オレの外側しか見ない人とは違う人種
逃さない
逃がせない
必ず手に入れたい
合コンに居る周りの人に聞くと
来週?旅行に行くらしい
空港はわからない
オレも出張がある
“空港で会えないかなぁ
まさか会えるはずないよなぁ”
“次に会ったら絶対に離さない”