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第14章 学園祭、本番！！

「良かったじゃん」

「俺も最初はそう思ってたんですよ？けど・・・たまには違う物を頼みたいのに、自動的にかつ丼が出てくるんです・・・」

「ぶっ！！あはは！！」

俺は笑い転げた

「じゃあ、行かなきゃいいんじゃね？」

「でも・・・腹減るし・・・」

「弁当は？お前んちレストランじゃん」

「だからですよ。仕込みが忙しいから俺の弁当を忘れる事があってですね・・・」

「で、学食？」

「はい！！それに先輩と一緒に食べたいですし！！」

そっちが本音だと思うのは気のせいか？
俺は懐いてくる信が可愛くて仕方なかったので弁当片手に学食へとつき合った


「お、おばちゃん！！」

「はいよ！！いらっしゃい！！いつものだね！！」

「い、いや・・・今日は定食・・・」

信・・・負けるな！！頑張れ！！
俺は信とおばちゃんのやり取りを見て心の中で応援した
信のおばちゃんを止める手が妙に悲しく・・・

「すいません。かつ丼ではないようですが？」

俺は口を挟んでしまった

「・・・ありゃ～。お兄ちゃん偉い男前だね」

おばちゃんは俺の声に振り返り、何とかかつ丼を作る手を止められた

「どうも。あの・・・言いにくいんですが・・・かつ丼が美味しいのもわかってるんですが・・・他のメニューの美味しい物を食べてみたいと・・・」

「そうやったんか？早よ言いなさいな！！おばちゃんわからんかったよ～」

おばちゃんは照れた

（今だ！！）
信の腕をつついて合図した

「おばちゃん！！かつ丼も美味いけどさ？今日は定食を食べてみたいな～。なんて・・・ほら？おばちゃんの作った料理、他にも食べてみたくて・・・」

「あんた！！かつ丼ばっかり頼むから、栄養心配しとったんよ！！良かったわ！！」

「いや・・・何回も・・・言ったんですけど・・・」

何故か怒られる信。困る信
俺は笑いを堪えるのに必死だった

「わかった！！今日の定食やね！！おばちゃんが作ったもんいっぱい入ってるから！！いっぱい食べて大きくなりや！！」

「うん！！」

「そこの男前の兄ちゃんは何にするの？」

「俺は弁当なんです」

「そんな小っこい弁当で足りんやろ？おばちゃんがおまけしたるから！！二人で食べ！！」


懐かしい信との学生時代の会話
おばちゃんの笑顔
信も思い出したのかな？
ここに来たかったのは信の方・・・だったかな？