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奴隷メイドオークション ~正しいメイドの育て方~ 改訂版
第4章 奈々の事情
「毎日パチンコに行って、お菓子を持って帰ってきたりするんですぅ。それだけは、楽しみでしたぁ」
パチンコ店に通うパチプロなら、私もドラマで観たことがある。
店員ではなく、パチンコをやって生活する人。金額は忘れたが、勝っても負けても額は大きいらしい。
「引っ越してから、部屋はゴミだらけでぇ。ゴミの袋の間に布団を敷いて、寝てましたぁ。仕事で疲れるから、ゴミ出しが出来ないってぇ」
酷い環境。たまにニュースで話題になるゴミ屋敷のよう。ゴミ出しがどれくらい大変なのかは、私もメイドに頼っていたから知らないが。
「あ、ここですよぉ。ランドリー室ぅ」
小さなドアを入ると中は割と広く、乾燥機兼用の大きな洗濯機が三台稼働中。
「普通の洗濯物はこっちでぇ、クリーニングはこっちですぅ。メイド服は、クリーニングの方ですよぉ」
カゴを置くと、2つの大きな箱に洗濯物を入れながら、奈々ちゃんが説明してくれた。
「後はぁ、洗濯専門の人が、やってくれますからぁ」
「奈々ちゃん。学校で、虐められたりしなかった?」
「ありませんでしたよぉ? 真っ直ぐ家に帰ると、怖い男の人達が来るからぁ、友達の家で宿題やったりぃ、遊んだりしてから帰ってましたぁ」
何となくホッとした。家が大変な上に虐めに遭っていたら、可哀そうすぎる。
「炊飯器も無くなったしぃ。たまに電気が止まったりするからぁ、夕飯は菓子パンの時が多かったしぃ」
奈々ちゃんが、思い出したように続けた。
「でも、マンションの時から、カップメンとか菓子パンが多かったかなぁ。お母さん、料理が嫌いでぇ。お父さんも、作れないしぃ」
子供を育てる環境じゃない。それくらいは、私にだって分かる。
「奈々にはそれが普通だったからぁ、ちゃんと分かったのは、オークションを待つ部屋にいた時ですぅ」
「えっ?」
あんな殺風景な部屋で、何があったと言うのだろう。
「部屋は可愛いしぃ、毎日清掃に来てくれたしぃ。ここみたいな食事も出たしぃ」
「ええっ?」
私のいた部屋はコンクリートが剥きだしで、カビ臭かった。
その事を奈々ちゃんに話すと、珍しく苦笑いしてから説明する。
「ロリータっていうのは高く売れるからぁ、大事にするみたいですぅ。その話、梨香さんとして分かってぇ」