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第8章 　疑似セックス

　指が動き、私は自然に背中を反った。
「あっ！」
　割れ目を開いたご主人様の指が、器用に指先でクリトリスを刺激してくる。
「あっ、あぁっ！」
　やはりその刺激も、規則的に動き続けるだけの器具とは全く違う。温もりのある柔らかい指が不規則な動きをし、アソコからすくった密を使って刺激される。
「美桜、可愛いよ……」
　ご主人様が私の腰の辺りに跨り、右の乳首をしゃぶる。左は指での刺激。
「あんっ、んんっ」
　チュパチュパという音に、私は腕を伸ばしてシーツを掴んだ。自分の腹に、男性器が当たっている。それも、太く硬くなったもの。他のメイド達を見ているうちに、それが気持ち悦いものと刷り込まれていく部分もあった。
「ねぇ、美桜。少しでいいから、してくれる？」
　前に移動したご主人様が、男性器を私の唇に当てる。これだけ間近で見る男性器はより長く太く感じ、あちこちに血管の筋があった。唇に当たった感触も硬い。
「え……。はぁっ……」
　私はそれを口に含んでいた。無理矢理なのか自分からなのか、分からないくらい自然に。
　ご主人様の指は、両方の乳首。命令されて私がして見せてしまった時のように、強めに摘まんでグリグリとしている。
「んっ、はぁっ、はんっ」
　ご主人様が軽く腰を動かし、私は口の中の男性器に舌を添えた。
　見るのも恥ずかしかった男性器が、自分の口の中にある。それも、太く大きく猛ったもの。
「美桜っ。いやらしくて、気持ち悦いよ……」
　そう言われると、私も何故か微かな嬉しさを感じる。
　愛さんが言っていた、ご主人様に気に入られ時給が上がればいいという思いも完全に否定は出来ないが、今はそれだけではない何かも感じていた。
　それが何なのかは、まだ全く分からない。
「はぁっ、んっ、ふぅっ……」
「ありがとう……」
　口から抜いた男性器に密を付けてから、広げた私の割れ目に沈める。決してアソコに挿いらないように。
　すぐにご主人様は、腰を密着させた。
　それだけで、全身が痺れるような感覚。男性器が、クリトリスに直に触れているなんて。その恥ずかしさも、何故か今は快感に繋がってしまう。
　熱く猛った男性器。いつかは私を犯すものなのに。
「んんっ、はんっ、あっ……」