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奴隷メイドオークション ~正しいメイドの育て方~ 改訂版
第1章  オークションとご主人様


 確かに金額が上がって行く様子は、オークションのようだと思ったが、本当だったなんて。
 ベッドに腰掛けて足を組んだ青年が、説明を始める。
 奴隷として買い取った半分の金額は家族に払われるが、それは契約金名目。家族は私が海外の大手企業の秘書をすると、契約書まで交わして信じているそうだ。現金だけは秘密裏に払われ、税務署に知られることも無いと。
 父親は、そういった事をすぐ信じてしまう人。周囲からは、それが仇となり倒産したとも言われていた。
「私が……。奴隷?」
「表向きはメイドだけどね。今からの、奴隷とご主人様の関係を、君は拒否出来ないんだよ?」
「そんなっ!」
 逃げようと窓のカーテンを開けると、そこには鉄格子。
「ガラスも防弾だからね。万が一割って叫んだとしても、庭が広いからこの屋敷の外までは聞こえないよ?」
 背筋に、冷たいものが走った。
 奴隷など、海外での遥か昔の話だろう。粗末な寝床と食事を与えられ、1日中つらい仕事をさせられる。そんな映画を学校の授業で観せられ、私もクラスメート達も涙した。
「まずは、メイド服に着替えて?」
 当たり前のように、ご主人様が立ち上がってクローゼットを開ける。
 取り敢えず今はこのご主人様の言うことを聞いて、様子を見るしかない。
 ご主人様が、クローゼットから出した真新しい衣類と靴をベッドに置いた。
「着替えるから。あっち向いてて」
「口の利き方がなってないね。まあ、初日だから許してあげるよ」
 ご主人様の後ろ姿を確認しながら、制服を脱いだ。
「え? コレも?」
 私が手に取ったのは、白い二―ソックスとそれを留めるガーターベルト。
 確かにメイド服には似合うかも入れないが、初めて手にするガーターに抵抗があった。
「下着も全部脱ぐんだよ?」
「えっ?」
 古典的なメイドの丸襟のワンピースだが、スカートの何ヶ所かに細いカーボンのようなものが入れてあり、少しだけだが膨らむようになっている。丈は膝上でも、透けて見える所もない。
 学園祭などのコスプレで着るなら、可愛いとも思える。
 諦めてブラと下着を脱ぎ、言われた通りにメイド服を着て二―ソックスもガーターで留めた。
「着ました……」

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