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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第10章  ハロウィン


 あの黒いシミが現れて2ヶ月程。
 11月も間近になって普段はトレーナーを着ているが、俺は長袖のTシャツに着替えた。
 あっちの世界では、この方が得をする事も多い。
 いつものように通販で買ったエログッズが詰まった鞄を斜め掛けにして、俺は1週間振りに黒いシミに入った。
 着いた先は、日が沈んだばかりのよう。草原が広がっているが、目の前には街の入り口。何だか、中はやたらと煌びやかに見える。
 俺の世界とこっちは時間軸が違うのは覚えた。昼間来ても、昼だったり夜だったり。
 それに部屋に戻ると、行った時間と同じ。
 街に入った途端、ゾンビが現れた。
 いくらRPG風の世界だって今まで何もなかったから、武器なんて持っていない。戦う勇気もない。
 身構えてしまった時にゾンビが笑い出し、呆気に取られてしまった。
「旅のお方でしたか。失礼しました。今夜、この街はハロウィンのお祭りなんです」
 そう言ったゾンビが、かつらと一体になった被り物を外す。
 金髪に青い目。それ以外は、日本人と変わらない。落ち着いて辺りを見回すと、被り物をしていないコスプレの住人達も同じ。
 俺はすぐにロリちゃんのことが浮かんでくる。
 金髪で青い瞳のロリちゃん。
 そのゾンビに繁華街の場所を訊いてから、足を速めた。
 繁華街も盛り上がっている。
 店にはハロウィンの飾りつけがあり、俺はロリちゃんの写真が出ている1件の呼び込みに声をかけた。
「いらっしゃいませ。今日はハロウィンの特別企画もありますよ」
「入場料はいくら?」
「2時間で50円です。後は色々と……」
 やっぱり100分の1の値段。ここまで歩いてきた所にあった色々な店もそうだった。
 俺はすぐその店に入った。
「いらっしゃいませ。これはこれは……。VIPルームをお使いになりますか?」
 黒服が言う。
 俺の服装を見て、また王族だと思っているんだろう。でも取り敢えず女のコ達を見たい。だからまずは普通のボックス席にしてもらった。
 案内された黒服に一番高いボトルを頼んだけど、50円。換算すると5千円だ。良心的な店だと思っていると、フロアを歩く女のコが目についた。

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