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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第13章 人気アイドルちゃん
付き人が戻って来た。
「これからは、俺が付き人をやりますから」
セリナと打ち合わせした嘘。
「何だとぉ?」
「今日のお金は、全部あげる。サヨナラ」
酔って暴れる付き人を、支配人の指示で他の黒服が抑えつける。その隙に、俺達は店を出た。
その隙を作ってくれたのも、きっと支配人の心遣いだ。
大通りで馬車を捕まえ、俺も一緒に乗り込む。
セリナの荷物は、皮製の大きな鞄ひとつ。再出発にはいいかもしれない。
付き人が追いかけて来ないのを確認してから、俺は街のすぐ外で馬車を降る。
「お兄ちゃん、ありがとう。これからは、ひとりで頑張るから」
馬車の窓からの声に、手を振り返す。
遠くなっていく馬車の窓から、セリナは見えなくなるまで手を振り続けていた。
いつまでも、「お兄ちゃん」という声が聞こえてくる感じだ。
一度大きく伸びをしてから、俺の部屋へ戻るドアを入った。
おわり
第14章へつづく