この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第14章 王族のロリちゃん
さてと。やっと土曜日。
俺は長袖Tシャツにジーンズ。鞄を斜め掛けにして、クローゼットに出来た黒いシミに入った。
着いた草原の前には街。それも、外からでも上の方が見えるくらいの立派な城。
前に王国では、セックスの規制が厳しい、と聞いたことがある。
でも、取り敢えずは探索。
歩いて知るのは、RPGに出てくるような服装ばかり。
何軒か店を覘くと、やっぱり100分の1の値段でホッとした。
店先の牛肉が、100gで50円だ。ミカンは一山35円。
そのまま歩いていると、いきなり近衛兵数人に囲まれた。
「我々と一緒にお越しくださいませ」
「どこぞの王国からいらっしゃったのか存じ上げませんが、王子からお話しがございます」
また俺を、王族と間違えているらしい。
丁寧な言葉遣いだから、掴まるということはないだろう。それに、本物の王族に興味もある。
俺は近衛兵に着いて、城へと向かった。
案内されたのは大広間。立派な椅子に座っていると、少しして王子らしき人物が現れる。
「ご足労をかけて、申し訳ありません」
まだ17,8歳だろうか。服には装飾が施され、ヒラヒラした布を首に巻いていた。正にRPGに出てくる王子様。
「どちらの王国から、いらっしゃったのですか?」
向かいに座りながら訊かれ、俺はどうしたものかと思う。
「……トーキョー、王国、という所です」
「申し訳ありません。存じ上げなくて……」
「カナリ遠いですから」
その場は何となく収まったが、いきなり城に呼ばれた理由が解らない。
「実は……。民には知られたくない問題がありまして……」
俺も民なんだけど、と思いながら、真面目な顔で話を聞く。
「私の妹である姫が、ひとりで城を出てしまったのです。王族の方に、力をお貸し頂ければと……」
話を聞いていると、つまり家出した姫を探して欲しいという旨。
同じ王族なら、秘密を守ると思われているようだ。
「これが姫。マリエスの写真です」
肖像画を書く為に撮ったという、この世界では珍しい写真。
写真は高価らしく、飲み屋が呼び込みの為に貼ってある位だ。
俺は写真を受け取り、姫探しに出発した。
本当にRPGになってしまったよう。RPGの主人公は、やたらと何か頼まれる。