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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第15章 城下街で……
(14章の後にお読みください)
店の時計を見ると、もう3時過ぎ。
この世界に来ると、俺の時計は止まってしまう。だから持ち歩かなくなった。
繁華街へ来たが、思った通り普通のバーばかり。呼び込みがいる、ヤれる女の子がいそうないる店はない。
裏手に回り、わざと隅にある怪しげな店のドアを開けて見た。
カウンターが5席と、テーブル席が同じく5卓。バーにしては、まあまあの広さ。
「エルザの酒場へようこそ。あら……。王族の方が、何のご用でしょうか?」
カウンターの中には、バニーガール姿の女性。20代半ばだろうか。
この状況には、何だか記憶がある。
「申し訳ございませんが、王族の方にお出しするような、高貴なお酒は置いてございませんよ」
エルザはニッコリ笑いながらも、どこか警戒しているような感じ。
今まで何軒か行った酒場は、男が仕切っていた。女性。それもバニーガールなんて……。
思い出した。
「あっ、アイーダさんだ」
つい口に出してしまった。
以前の城下町で、秘密のロリちゃんの店の管理をしていたアイーダさん。そこは巨乳ちゃんばかりだったが、それなりに楽しませてもらった。
「姉をご存じで?」
「旅をしていて。以前寄った城下街の店で、裏を紹介して貰ったんだ」
店内には客がいない。カウンターに近寄りながら言った。
「裏……」
「女のコと遊べる店。14歳以下がいいな」
「そうですねぇ……」
エルザは、少し考えてから口を開く。
「ここの王族の方でないなら……。姉の名前も、裏のこともご存じなら、大丈夫でしょうね……」
「大丈夫?」
「ええ。時々近衛兵が視察に来ますから。ヘンな営業をしていないかと。勿論、王族の方が自らいらっしゃることはありませんしね」
どうやら、信用してくれたようだ。
「ロリータですね? 紹介料に500円かかりますが……」
500円なら安いが、この世界に換算すると5万円だ。裏だし、それぞれの分け前を考えると仕方ないのかもしれない。禁止されている城下町で、危ない橋を渡っているわけだし。
カウンターに500円を置くと、エルザが鍵を差し出して来た。俺にとっては金の鍵って感じかもしれない。