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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第15章  城下街で……

「この奥を真っ直ぐ進んでください。どのドアも、その鍵で開きますから。どうぞ」
 エルザがカウンターの中のドアを開け、俺はその中へ入った。
 どう見ても普通の部屋。休憩場所と言った感じだろうか。
 その突き当りのドアを鍵で開けると、今度は広い部屋。キッチンのようなものがあり、タンスや戸棚。左側の奥は、寝室らしい。
 奥のドアを鍵で開けると、また広い部屋。
 隅のベッドに、中年の男が寝転がっていた。
「ん? 王族の方ですか!? でも……。エルザさんがお通ししたなら、大丈夫でしょう」
 起き上がった男はRPGそのままの服装。俺も何度かドアを進んで、RPGの世界に迷い込んだようだ。まあ、元々街自体、RPGの世界観だが。
「ご希望の年齢は?」
「ロリータ」
 以前はロリちゃん好きなんて口外しづらかったが、この世界に来られるようになってからは慣れた。
「それなら、あちらのドアです。お楽しみください」
 男に示されたドアを開け、細く薄暗い通路を進む。ダンジョンみたいだ。
 少し歩いてあったのは、木製のみすぼらしいドア。
 そこを鍵で開けると、小さな空間にまた男が立っている。
「エルザから連絡を頂いております。中へは500円かかりますが……」
 合計で千円。ボッタクリかもしれないが、ここまで来て帰るわけにもいかない。
 俺は男に500円を渡し、ドアを開けた。
 通路が薄暗かったから、やたらと室内が眩しい。
 やっと黒服に会えたと思ったら、その奥に案内されて驚いた。
 ロリータの店だからロリちゃんがいるのは当たり前だが、その全員がエプロン1枚。
 フリルの付いた、白くて薄いエプロン。
 背中やオシリは丸見えだから、裸エプロンということだ。
 そんな格好で、ウエイトレスのように動き回っている。
 天国だ。
「お客様? ボトルはいかがいたしますか?」
 ボックスシートに案内された黒服に言われて、我に返った。
「ああ。一番高いやつで」
 メニューを見たが、ボトルはそう高くない。一番高いものでも、300円だ。
 いや。高いのかもしれないが、周りの光景のせいで、俺の理性はおかしくなっていた。
 確かにこれを鑑賞するだけでも、合計千円は安いもんだ。この世界なら10万だが、ボーナス後なら出してしまうかもしれない。

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