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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第16章  ロリちゃんが来ちゃった


※15章を読んでから、お読みください。


 俺はベッドに座って頭を抱えた。
 まさかロリちゃんが一緒に来るなんて……。
 このまま一緒に暮らせるならいいが、そんなわけにはいかない。
「お兄ちゃん……?」
「……ここが、俺の家だよ」
 取り敢えず、それだけ説明しておいた。
 1DKのひとり暮らし。DKと言っても、大した広さはない。
 このままユナがここにいたら、俺は犯罪者になるかもしれないんだ。
「ユナの家に、帰れないの……?」
「だから、今それを考えてるんだよ」
 つい強く言ってしまい、ユナに謝ってからベッドに座らせた。
「これから考えるから。ユナちゃんが帰れる方法」
「うん……」
 俺もだが、落ち込んでいるユナを、キッチンへ連れて行く。
「ほら、見ててごらん」
 ガスコンロのスイッチを入れ、炎を出す。
「えっ。何? コレ。火種はいらないの?」
「でも、危ないから触っちゃダメだよ」
「うん。凄い……」
 また部屋に戻り、リモコンでテレビのスイッチを入れた。
「うわぁ……。写真が、動いてる……」
「これなら、自由に触っていいよ。スイッチはここ」
 点け方、切り方、チャンネルの換え方を教えると、ユナはリモコンを弄り始める。
 その間に、俺は色々と考えていた。
 テレビを観て解ったが、今は土曜の夜。俺が向こうに行ったのは、金曜の昼間だ。
 いつもだったら戻ると時間は変わっていないのに。
 ユナが一緒のせいなんだろうか……。
 1万円くらい持たせて、1人で黒いシミに入ってもらうのもいい。向こうでは、100万円の価値だ。
 それだけあれば違う街に着いても、馬車などで戻れるかもしれない。
 でも、それぞれの街の次元が違ったら……。
 平静を装ってはいるが、頭の中はパニック。
 俺はまず、休みの会社にFAXをした。
 月火の有給願いだ。
 それだけ時間があれば、いい案が浮かぶかもしれない。余裕があった方が、頭が働いてくれる。
「ユナちゃん。ちょっとここにいて。絶対に外には出ないでね」
「うん。解った」
 しっかりと鍵をかけて向かったのは、数駅先のショッピングモール。
 そこで子供服の店に入り、店員に10歳の姪へのプレゼントだといい、ワンピースを包んで貰った。

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