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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第25章  イヤイヤロリちゃん


 満員電車に揺られ、会社では忙しい日々。
 グチも零したくなるが、俺には週に一度のお楽しみがあるから大丈夫。
 いつもの身支度を整え、黒いシミに入った。
 着いたのは、森の中。辺りは夕方で、少し暗い。いつも目の前に街があるから、取り敢えず真っ直ぐ進んでみた。
 思ったより早く森を抜けた先には、立派な城が見える城下町。
 白自体も、RPGの造りのようだ。
 街へ入ると、住人もRPGの格好。
 賑わっている市場を覗いていくと、百分の一の世界で安心した。最近は新聞に折り込まれるスーパーのチラシを見て、ある程度の金額を調べている。
 だが、いつも王族だと思われるこの服で、大丈夫だろうか。
 不安を抱えつつ裏道へ入ってみたが、今までの繁華街ではない。
 並んでいるのは酒場ばかりで、呼び込みもいなかった。
 仕方なく、BARと書かれた一件のドアを開ける。
「マリーナの酒場へようこそ」
 カウンターの中の、バニーガールが言う。
 三十代だろうが、バニースーツが良く似合う美人だ。
「……王族の方が、何の御用かしら? ここには、お口に合うお酒はありませんよ?」
 帰れという意味なのは解ったが、俺は誰もいないカウンターに座った。
 他の客は、テーブル席で酒を呑んでいる。
「訊きたい事が、あるんだけど……」
 俺は、カウンターにそっと百円を置いた。
「この街で、女のコ。それも、十四歳以下とヤれる店とか、無いのかな?」
「知りたいだけ? それとも、楽しみたいの?」
「ヤりたい。俺は別の所の王族で、旅をしてるから」
 マリーナは、小さなグラスの酒を出してくる。
「丁度良かったわね。この店に入って」
 という事は、あるのだろうか。
「王様のご命令で、そういった店は禁止されてるのよ? でも、表向きだけね……」
「あるの?」
「手数料が、五百円だけど? ごめんなさい? 私にも危ない事だから、高額なの」
 俺は急いで、五百円玉をカウンターに置いた。
「中へどうぞ」
 マリーナがカウンターの隅を上げ、中へ入る。
 すぐに横のドアを開けられ、中へ進んだ。
「いらっしゃいませー」
 ロリちゃん達の声だ。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」
 黒服に、ボックス席へ案内される。
 ボックス席は十数個。その殆どが、埋まっていた。


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