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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第26章 王子の代わり?
待ちに待った土曜日。朝食を済ませシャワーを浴びると、いつもの格好で黒いシミに入った。
勿論鞄の中には、通販で買い集めたオトナのオモチャが詰まっている。
着いた場所で、俺は溜息をつく。
目の前に街はあるが、奥にあるらしい城の塔が見える。
城下町が呑み屋でのセックスに厳しいのは、この前知った。
それにもう、日が暮れている。ラッキーだった先週のように、ロリちゃんの店に行かれるだろうか?
取り敢えず街に入りその辺の店を調べようとすると、RPGの近衛兵のような数人に掴まった。
「えっ。あの……。俺は、旅をしていて……」
「王子、早くお城へ」
「王が心配しています」
俺の頭の中は、「?」だらけ。
なんやかんや言われながら、俺は城へと連れて行かれた。
RPGでお決まりの玉座(ぎょくざ)の間に通されると、王が俺をジッと見る。
その後、近衛兵を返し、王様らしい男と2人切り。
「この国の王子ではないな? だが、よく似ておる。どこから来た? 王族の者と見受けるが?」
「トーキョーという、国です……」
「聞いた事は無いが、そなたに頼みがある」
王の話は、明日まで王子の振りをして欲しいという事。明日の昼前、遠くの国から婚約者の王女が挨拶に来るそうだ。
「いつまでも結婚せぬから、私が決めた。そのせいか、王子は昨日から行方不明なのだ」
何となく、逃げづらい状況。
逃げたとしても、この街にはいられない。また出直し、別の場所へ行くしかないだろう。
だが、城から逃げ出すのは難しい。
「褒美を取らせ、明日の午後には密かに街を出て行ってもらう」
身の安全は、保障してくれるようだ。
明日の昼までなら、RPG世界の王子も悪く無い。
「解りました」
俺が言うと、王は年配の女性を呼んだ。古風なメイド服を着ているその女性に、王が理由を話す。
「承知致しました」
「くれぐれも、この事は内密にな」
「はい。では王子、こちらへ」
連れて行かれたのは、豪華な個室。
「こちらが、王子のお部屋でございます。御用がおありの時は、この紐をお引きください。失礼致します」
取り敢えず大きなベッドに座り、溜息をつく。
本当は逃げ出したいが、王の迫力に負けてしまったのもある。
ノックの音。