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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第28章 現実
また抱き合いながらドアを抜け、現実世界へ戻る。
「えっ!?」
「お兄ちゃん? どうしたのぉ?」
振り返ると、今抜けてきたばかりの黒いシミが無い。
「あっ、無いねぇ……」
目を擦ってみたが、あのシミが消えている。
一応由麻菜の手を握り、シミがあった辺りを撫でてみたが、何も起こらなかった。
結婚したからだろうか。まだ独身の、誰かの所へ移ったのかもしれない。
今までのロリちゃん達の経験は遊び。結婚すればゲームオーバー。そういう意味だろう。
「あの世界、面白かったけどぉ……」
クローゼットを閉めた由麻菜が、抱き着いてきた。
「もう、いらないよねぇ。ここですればぁ、いいんだからぁ……」
「ああ。そうだな」
入籍する数日前に届くようにしておいた、キングサイズのベッドがある。寝室は少し狭くなったが、ベッドが広い方が何より。
結婚したんなら、16歳だろうがセックスしても構わない。20歳になるまでは妊娠させられないが、お互いに楽しむ事は出来る。
それにいつか生まれてくるコは、由麻菜に似れば、男女どちらでも可愛いはず。俺にはあまり似て欲しくないような、似て欲しいような複雑な気持ちだ。
「お兄ちゃん……」
由麻菜が顔を上げ、目を閉じる。
優しくキスをしてから、2人で抱きしめ合った。
一週間後。
由麻菜が選んだクラッシック曲が流れ、拍手が響く中。彼女の父親から俺の腕へと、彼女が移ってくる。
由麻菜のウエディングドレス姿は、どんな芸能人よりも可愛かった。
「お兄ちゃん……」
小さな声を聞いてから、2人で神父の前へゆっくりと進んだ。
親族や、身近な友達だけの結婚式。マスコミも入れていない。
これから由麻菜を守るのは、本当に俺の大事な役目となる。勿論それは、付き合い出した時からの夢。その夢が、現実になった。
神父の言葉にお互い返事を返した後、ヴェールを上げて誓いの口づけ。
入籍済みだが、これで本当の夫婦になれたような気がした。
もう、離れていく怖さを感じる必要もない。
由麻菜は俺だけのもの。
そう思いながら、外で祝福のライスシャワーを浴びた。
「ロリ放題の世界Ⅱ」 おわり