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第36章 　オシオキ？

　何とか元の服を着せ、布団に寝かせた時には、麻菜はもう寝息を立てていた。
　母親が仕事で淋しくて俺の部屋に来たら、そのまま寝てしまったと言えば、それなら角は立たないだろう。
　朝は早めに起こし、朝食を食べさせてから、着替えに家に戻らせればいい。
　本当に大人げない。
　ちょっとした遊び心的に、この前のオシオキがしたかっただけ。それが麻菜にとっては、酷くショックだったのだろう。
　俺も着替え、目覚ましを早めにセットしてからベッドに入った。
　麻菜の、小さな寝息が聞こえてくる。
　俺が守らなければいけない存在。それは、家族よりも大切な麻菜だ。
　麻菜と恋人同士になってから、一生一緒にいると決めたのに。
　そんな事を考えながらも、麻菜の寝息に誘われるように、いつの間にか眠りに落ちていった。
　この後、俺にとって重大な事件が起きるとは、知る由もなしに……。



　つづく