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悠一郎の独り言
第8章 2017年11月17日(金)19:17
「…傷を見て思い出しませんか?事故の事を」
普通だったら思い出すから使わないのではないかと思いました。
「そうですね…でも足の傷引きずっている限り忘れることはできないんです。だからあれを見て、思い出すことはないですね。どちらかというと母親の形見と思っています。」
その言葉に、沙羅さんは強い人だなと思いました。
優しいだけの人ではないと。
「親ひとり子一人になったんですけど…父はサラリーマンでした。残業が多く休日出勤も当たりまえ、小学生の私の面倒なんて無理なんですよね。それで色々と考えたんでしょう。会社を辞めてこの店を引き継いだんです。もともとは祖母が初めた店なんですけど、母が受け継いでやっていましたので、それを父が…将来的には私が告げたらなと思っています」
椅子を回しながら店内をぐるりと見回す沙羅さんの表情は寂しいというより愛おしいものを見る様なそんな感じがしました。
ここには母親との思い出があるのでしょう。
そして父親のやさしさも詰まっているのだと感じました。
「絵は…趣味で?」
趣味の域を超えている絵が気になっています。
「小さい頃は画家になるのが夢でしたね。だけど母が亡くなり、不安定な画家になるのは諦めました。私の為に仕事を辞めてこの店を続ける父に申し訳なくて…それに大きくなるにつれて絵を描いて食べて行くのは一握りだと分かってきましたから…でも描くのは好きですので暇さえあれば描いてるんです。そしてそれを店内に飾ったりポストカードにしたり。少しでも好きな事が仕事に役立っていてうれしいです。」
本当にうれしそうに笑います。
本当に描くことが好きで、どんな形ででも描くことに携わることができることに喜びをかんじているのだと感じました。
私はどうでしょうか…
絵を描くことを趣味にはしていますが、そこから何かが生まれるわけではありません。
人と付き合うのが苦手な私が唯一自分を表現できるもの。
描いていると何も考えずにいられる時間…
全然、彼女と絵に向かう姿勢が違うと感じます。
普通だったら思い出すから使わないのではないかと思いました。
「そうですね…でも足の傷引きずっている限り忘れることはできないんです。だからあれを見て、思い出すことはないですね。どちらかというと母親の形見と思っています。」
その言葉に、沙羅さんは強い人だなと思いました。
優しいだけの人ではないと。
「親ひとり子一人になったんですけど…父はサラリーマンでした。残業が多く休日出勤も当たりまえ、小学生の私の面倒なんて無理なんですよね。それで色々と考えたんでしょう。会社を辞めてこの店を引き継いだんです。もともとは祖母が初めた店なんですけど、母が受け継いでやっていましたので、それを父が…将来的には私が告げたらなと思っています」
椅子を回しながら店内をぐるりと見回す沙羅さんの表情は寂しいというより愛おしいものを見る様なそんな感じがしました。
ここには母親との思い出があるのでしょう。
そして父親のやさしさも詰まっているのだと感じました。
「絵は…趣味で?」
趣味の域を超えている絵が気になっています。
「小さい頃は画家になるのが夢でしたね。だけど母が亡くなり、不安定な画家になるのは諦めました。私の為に仕事を辞めてこの店を続ける父に申し訳なくて…それに大きくなるにつれて絵を描いて食べて行くのは一握りだと分かってきましたから…でも描くのは好きですので暇さえあれば描いてるんです。そしてそれを店内に飾ったりポストカードにしたり。少しでも好きな事が仕事に役立っていてうれしいです。」
本当にうれしそうに笑います。
本当に描くことが好きで、どんな形ででも描くことに携わることができることに喜びをかんじているのだと感じました。
私はどうでしょうか…
絵を描くことを趣味にはしていますが、そこから何かが生まれるわけではありません。
人と付き合うのが苦手な私が唯一自分を表現できるもの。
描いていると何も考えずにいられる時間…
全然、彼女と絵に向かう姿勢が違うと感じます。