パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第20章 行方不明

『こちらにどうぞ』


桜は女医の前の椅子に座った。
後ろに聖も座った。


『まず…尿検査だけさせて。』



桜は紙コップを渡されてトイレに行った。

聖は不安だった。トイレから出てこなかったら…
そんな事まで心配するようになっていた。


「桜。おいで。行こう。」

桜は何も言わない。
聖に手を引かれてトイレに向かった。




数分後出てきた。
聖は安心してひと息ついた。



診察室に戻ってから女医と向かいあって座った。



『少し問診させてね。』

「．．．．．．」

桜は黙って頷くだけだった。

『最後の生理はいつ？』

「…4がつ…2日…から」

『そう。少し遅れてる？』

「いえ…」

『ならもうすぐなるわね。
大丈夫。妊娠はしてないみたいだから。
怖いかもしれないけど答えてね。
最後に性交渉したのは？』

「．．．．．．」

『彼に聞いてもいい？』

「。」

桜は小さく頷いた。


『いつかしら？』

「昨日の夜です。相手は俺です。」

『さっきは？』

「されてないみたいですが全て見てないので
分かりません。」

『そう。一応妊娠はしてないし
もうすぐ生理になるみたいだけど
アフターピルは飲んでもらうわ。』

「はい。」

『彼女は次内診するから隣の部屋に行って
下は全て脱いで座ってね』




桜はとぼとぼ歩いて移動した。



『彼女精神的ダメージが大きいみたいだから
少し様子見ていてあげてね。
多分長くなる。２週間くらいしても
あまり変わらなかったら
心療内科に行ってね。』

女医からそう小声で言われた。



聖は椅子に座ったまま待っていた。
桜の内診が終わるのを。