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萌のお姉ちゃん
第5章 お姉ちゃんの結婚生活
いよいよ結納、そしてご両家のご対面となった。

萌は呼ばれないと思っていた。やんちゃだし、印象悪いでしょ。

各々席につき、いよいよ先生とお姉ちゃんの登場です。

先生は紋付き袴、お姉ちゃんも、受け継がれた金色(こんじき)の振り袖を着ていた。

おおっ!回りからため息が漏れた。
美人姉妹ですねえ。

自己紹介が始まった。

澤木三兄弟

若先生は長男。

次男(智)は県外の大学病院に勤めている。向こうで所帯ももち、子供が一人いる。

三男(アキラ)は大学生。2番目のお母さんとの間にできた子供。
都内にある国立の医学生。萌の二個上かな。

そう、お父様も離婚、再婚経験者なのだ。

和気あいあいと進むなか、やはりすべて打ち明けようと言う空気になった。

先生、まだ籍を入れる前だから、いいます。
私のお腹のなかには、卵巣がありません。
2つとも、卵巣の病気で取るしかなくて・・・。
言えませんでした・・・跡継ぎも産めません。
子供を産む喜びが、私は味わうことができません。
無理なら今のうちに破談してください。

君!!お父さん先生が口を開いた。


「この一年、黙っていたのか?
相談もできなかったということか?
どうして早く言わないの!跡取りができないなんて!」

「父さん、・・・僕は学生結婚をした。
二十の時だ。お互い刺激しあい難関を突破したんだ。
ほどなく赤ちゃんができたよ。彼女は臨月で卒業したんだ。」

「でもね、センスが僕と合わないんだ。あうんの呼吸が。
むこうが小児科を建てるといって出ていったよ。
子供は男の子。22のときの子だから、今23才だ。
ここにはいないけど、(啓)って言うんだ。」


「そういうことなら彼を跡継ぎにしようと思う。」

早急に話し合いだ。

先生の部屋に帰宅後も気まずい雰囲気が流れていた。


「君はどうりで中だしに抵抗がないわけだ。」


『おこっているの?』


「驚いているのさ。病気なんだから仕方ないよ。
経過も良好みたいだし、今、健康でいてくれることが嬉しいよ。
そんなことで破談?考えが古すぎるよ。
大丈夫、なにも変わらないよ。
ただ、跡継ぎはほしいんだ。」


「息子のことは、君と会う前から出ていた話なんだ。
3年前に、将来を見越して医院も家も建て直したんだ。」



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