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萌のお姉ちゃん
第6章 お姉ちゃん〜転がり始めた結婚生活
ああ、電話も一切なく帰国になるのね。
どうしてあんなに優しい先生が電話もメールもくれないんだろう。

医院のほうには業務連絡が来るといっていた。

お父さん先生も、それはわかっていた。夕飯のとき、

「志乃さん、すまない。騙して結婚とか、そういう気持ちは更々なかったんだ。
ただ、結婚して、別れたと思っていたんだ。
それなのにまた家政婦として家に入れて・・・。
わたしも憤慨しているんだ。必ずけりはつける。別れさせる。
無理なら次男にあとを継がせる。次男もわかっている。

そのくらいの覚悟だ。わかってくれ。」


『お父さん・・・私もそのくらいしていただきたいですわ。
お願いします。私の人生がこんなことでめちゃめちゃにされるなんて。』


「志乃さん一番に考えているから。心配しないでくれ。」


『あと、お父さん、わたし、町子さんを訴えてもいいですか?』

え・・・?まわりの子供たちも声をあげた。それは・・・。


『愛人を訴えます。慰謝料いただきます。』


「あ、ああ、まあ、もうこの医院自体浮気の噂ばかりたっている、今さら面目云々いっても仕方がないかもしれないね。」


「もう、好きにしていいよ。君の気持ちはここにいるみんなが痛いほどわかっているんだ。」

それからは着々と準備をしていきました。とことん奈落の底へ突き落としてやりたい。

なにも知らずにあの二人は日本に帰ってくるのです。
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