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第9章 ☆お互いの真実 優人編☆

「彩七、大丈夫か？」
彩七の中から離れて顔を覗き込む。
無理させてしまったか？
「私、嬉しいの。先生とこうなれて…」
「彩七…」
涙ぐむ彩七をぎゅっと抱きしめる。
唇だけじゃなくて肌も柔らかい。

「2人の時は先生って呼ぶのやめてくれよ」
「えっ、じゃあ、なんて呼べば…」
「優人って呼んでほしい」
そう言えば彩七にオレの名前教えてなかったな。
「どう言う字？書くの？」
「…”優しい人”だ… 」
彩七の質問に恥ずかしそうに答えた。
「でも、名前負けだよな」
「何で？？」
きょとんとする彩七。
「オレなんか全然…見た目、無愛想だろ」
「先生は別に名前負けなんかじゃない。上手く表現できないだけだと私は思う。だって私には”優しい人”だもん」
「彩七…。オレの名前呼んでみて」
まっすぐ彩七を見つめて問いかける。
「えっ!?ゆ、ゆゆゆ、ゆゆ…ゆゆゆ…！」
ゆ、から先の言葉が出てこない彩七。
「優さん…でも良い？」
小さな声で聞いてくる。
「今はそれで良い。でも、オレといることに慣れてきたらちゃんと名前で呼んでほしい」
「うん！」
彩七は明るい声で返事してくれた。