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第16章 ☆ごあいさつ 優人編☆

彩七のイトコ。
しかも男。
少し気になる。

「あ、そう言えば」
母親が思い出したように言う。
「何？」
「その慧くん、会社の新人研修でこっちに来るってことで今日から1週間ここに泊まるんだった」
「そうなの？」
「話するのころっと忘れてた。あはは！」
「さすがお母さん…」
呆れ顔の彩七。
母親は天然ボケなのか？
「午前中に来る予定だからね」
「冴田さんも良かったら一緒にお昼食べながら慧くんと話してみて」
「あ、はい」
どんなヤツなのか拝見するか。

「今日はお昼ご飯にぎやかになりそうね♪準備してくるし彩七も手伝って」
「はーい。ごめん、優さん。少し待ってて！」
母親に続いて彩七も席を立つ。
オレは父親と2人きりにされてしまった。
父親がいないオレ。
一体何を話せば良いのか分からない。