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第9章 プール大会？

「……あ、あの…大丈夫ですか？」


「……ええ」



真希の問い掛けに返事をしながら、要はひらめいたとばかりに軽く目を見開く。



自分の弱点が加奈子なら、彼の弱点は───



要は微かにニヤリと微笑んだあと、表情を戻して未だ手を自分に差し出している上司を見上げた。




「どうした、関根。ほら、早く掴め」



バカにするように光瑠は笑いながら、手をふらふらと動かす。




笑っていられるのも今の内だ。




「いやあ…社長は本当にお優しい……」


「………は…？」





突然態度を変えた要に、光瑠も表情を変える。



「では、お言葉に甘えて……」



「っ………」




そして、掴まれると思わなかった手を突然力強く握られて目を大きく見開いた。



光瑠は勘がいい。


だからこれから良くないことが自分に起こることが分かった。



そして、反射的に体の重心を後ろに移す。




「でも……社長がおっしゃるように、少し泳ぎ足りないな……」



「─────っ…」



不気味なほどの部下の笑顔。



それに光瑠は顔を引きつらせる。