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さらに近くてもっと甘い
第9章 プール大会?


なんか…なんというか……



「今日はみんな飛び込みたい日……?」



思わず声に出してそういうと、隣でタオルを被りながら、光瑠さんが溜め息を吐いた。



「別に俺は飛び込みたくて飛び込んだ訳じゃない」



「…分かってます…けど…」




何故なのか、浩平くんは、そのまま無心に泳いでいる。



「あれは、邪念を取り払ってるんだろう」



「邪念……?」




浩平くんのがむしゃらな泳ぎを見ながら、ぽつりと呟いた光瑠さんの言葉に首を捻る。



すると、その隣で要さんがフッと笑った。




「若いですね……」


「……我慢出来ないのなら今すぐ連れて帰ればいい」


「まぁ、僕や社長ならそうするかもしれませんけど…ね」


「……何の話ですか?」




全く訳が分からない。

しかも、さっきまで散々言い争ってた癖に、もう何事もなかったように話しているし……。



ん?と言葉を返した光瑠さんは少しニヤリとしながら私の方を見つめた。




「まぁ…男にしか分からない話だ」



「は……あ…」



やっぱり訳が分からず気の抜けた返事をしながら、プールを眺める。



きらめく水しぶきとはしゃぐ声。


みんな楽しそうだし、まぁいっか…。


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