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愛しい記憶
第2章 断片


「友也っ……?」



興味本位で、俺は彼女の腕を引っ張った。


戸惑った表情。


鼻を掠めたシャンプーの香りに胸が締め付けられる──…



そして、何かを期待したような顔をした彼女の唇を、俺はゆっくりと塞いだ。




「っ…──────」




初めてではない、知っている感触。



そして、何故か切なさが身体いっぱいに広がってどうしようもない。



彼女は驚いたように目を見開いた後、大丈夫なの?と俺に尋ねた。




「……大丈夫…」



なのだろうか。



分からない。


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