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愛しい記憶
第12章 新生活(回顧)
「うらみがましいかな……」
「っ……どうだろっ……」
「………………」
「もう…っ……何も言わなくても…いいのかもね…」
泣きながら笑った姉ちゃんを見つめながら、姉ちゃんのお腹に手を這わせる。
普通の人にとって喜ばしく幸せなことでも、それが俺たちに降りかかれば、皆侮蔑の眼差しを向けるだろう。
先ほど書いた手紙を縦に割くと、ビリ……という音が部屋に響いた。
「……姉ちゃん……」
「………っ……」
「愛してる……」
コクと頷いた彼女は、俺の首に腕を回した。