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愛しい記憶
第2章 断片
段ボール。
段ボール。
その奥にも段ボール。
部屋は馴染みがなくて、自分の家で感じる安心感はない。
でも、そこは確かに自分の家だ。
その確固たる自信だけがある。
フラフラと、熱を持った自分の身体を、なんとかキッチンまで運んで、持っていたコップに水を入れた。
水の中に気泡が交ざる。
それが落ち着くのを眺めて、またその水を飲み干した。
頭が痛い。
一体いつから風邪を引いていたんだろうか。
思い出そうとして、面倒になってやめた。
とにかく寝たい。
そう思って再びコップに水を満タンに入れると、ベッドに戻って身を横たえた。