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愛しい記憶
第7章 欲求
「友也……」
「マミっ……頼むから…俺の前からいなくならないでくれ……っ」
コトンっ…と音を立てて、俺の手からリングケースが落ちていった。
「いなくならないよ…」
その声に、まるで心臓を鷲掴みされたような感覚が走った。
「言ったじゃん…」
「…────」
「私はずっと友也のそばにいる…そうやって“約束”したでしょ?」
唇を噛み締めて、強く強く彼女を抱き締める。
例え幽霊でも
例え本当に存在しないとしても
例え俺の想像の産物だとしても
俺のもとから消えてしまわないように…──