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飴色トライアングル【完結】
第12章 疲れた心を癒すデトックスの旅へ…

はぁ~!
もう嫌になっちゃう。
私ってまったく成長してないじゃない。


ヒデは今頃、由美と楽しく過ごしてるんだろうな
大きくなったお腹をさすって話し掛けたりして…

テレビに向かって話し掛ける私とは正反対

──ダメだ!
考えれば胸が苦しくなるって分かってるのに
変な想像ばかりして…
はぁ~!もう、なにやってんの私は

ブンブン
余計な事ばっか考えないで島の生活を楽しまなくちゃ、せっかくこんな綺麗な場所にいるんだから…

そうは言ってもここは友達もいないし
親しい人はみどりさんとヒロシさんと…漁業組合のおじさん達
せめて私の愚痴を聞いてくれる人がいたらな─

あ、そうだ!

思い立ってバッグからスマホを取り出した。

人と話すのが煩わしくてずっと電源を切っていた携帯…
この島じゃ携帯なんか無くても困らないし使うこともなかったけど…連絡してみようかな。

スマホの電源を長押し─

あ、ダメだ!
とっくに充電が切れてた。
あたり前か、何ヵ月も使ってないんだから

今まで気にもしなかったけど
使えないと思うと急に人恋しくなって…
無性に誰かと話したくなった。

取りあえず帰って充電しよ。


:*:・♪'♪.:*:・♪'°
…あ!
充電が終わって電源を入れると
メールや着信の履歴が次々に入ってくる!

千秋
千秋千秋、クスッ…あ、大智さんからも
こんなにたくさん
全然連絡しなかったのに数日前にも着信が─

きっと心配してるよね。
こうやって懲りずに何度も連絡してくれて

もう誰も私の事なんて気にしてないと思ってたけど、そうじゃなかった。

嬉しいよ!
ちゃんとお礼を言わなきゃね。

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