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愛されたいから…
第3章 イルマと南郷と律子
だから、俺がこうやってリッちゃんを呼び出すと自分の家から逃げたいリッちゃんはほいほいと俺の家にやって来て、平気で泊まって帰る事が少なくないのが俺とリッちゃんの関係だ。

それでも、やっぱり俺はリッちゃんを恋愛対象とか女として見るとか絶対に出来ない男だった。

実際、リッちゃんと一緒に同じベッドで寝ていても寝相の悪いリッちゃんの布団を俺がかけてやるくらい俺はリッちゃんに過保護なお兄ちゃんになってしまう。

だから俺が夕食を作り終えた頃に買い物から帰って来たリッちゃんが

『まずはご飯?ご飯が先だよね?』

と子供みたいに聞いて来るとお兄ちゃん気分の俺は

『リッちゃんもいい加減に自分で作れないとお嫁に行けないぞ。』

と言ってやる。リッちゃんは

『お嫁とか行きたくないもん。』

と言いながら膨れっ面でちゃっかり自分の茶碗に炊き上がったご飯をよそっていた。だけど、その瞬間

『熱っ!!』

とリッちゃんが器用に炊飯器で火傷をしてくれるから俺は慌ててリッちゃんの手を掴んで流し場の水を出してリッちゃんの手を冷やしてやっていた。

『一体、どんなやり方したら炊飯器で火傷とか出来んだよ。』

俺は呆れてリッちゃんにそう言うがリッちゃんは

『だって、炊飯器が私に噛み付いて来たんだもん。』

と半泣きの顔で言って来る。リッちゃんの火傷は大した事はなかったが、結局、ご飯までも俺がリッちゃんによそってやり、久しぶりに2人で夕食を食べる事になっていた。

俺が作った飯を食いながらリッちゃんは呑気に

『イッちゃんはいつでもお嫁に行けるねぇ。』

とか言って来やがる。俺はまたしても女みたいな自分にコンプレックスで凹みたくなって来る。

男の俺が嫁に行くとか止めてくれよ!

そう叫びたくなる俺の顔を見てリッちゃんは

『そんなに気にする事ないじゃん。ビジュアルがいいって事は普通は羨ましいって事だよ。』

と一応慰めてはくれるのだが、俺はリッちゃんに

『俺が女だったら嬉しいけどな!』

とちょっと不機嫌になって言ってしまう。リッちゃんは

『はいはい、ごめんね。後で例のモデルの件をサービスしてあげるから機嫌直そうね。』

とちゃっかりモデル代をせしめた後なのにサービスとか平気で言って来る。俺は

『どこにサービスがあるんだよ…。』

とため息のまま夕食を終わらせていた。
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