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愛されたいから…
第3章 イルマと南郷と律子
俺は男としては貧弱で女みたいな顔でコンプレックスの塊で全然ダメ男だけれども、ずっと一緒にいるリッちゃんにだけはいつも一応俺は男なんだぞと虚勢を張る癖がついている。だけど俺よりもある意味さばけていて男らしいリッちゃんは

『前の彼女って一方的にイッちゃんに迫って来て付き合ってあげた彼女でしょ?イッちゃん、その女と別れた後も全然平気で全く恋愛なんかしてなかったじゃない。』

と呆れたように俺に言う。確かにリッちゃんの言う通り俺は唯とはちゃんと恋人として付き合ってはいたが別れても傷ついたとかそんな気持ちは全くなかった。

そしてリッちゃんは意味深に

『イッちゃん、今、恋する乙女の顔してるよ。』

と言い出した。

『誰が乙女だよ!』

『だってイッちゃん、昔から映画とかドラマで厳つい系の俳優さんが出てたら目をキラキラさせて夢中になるじゃん。』

『そりゃ、憧れって奴だからな。』

『さっきの人って、モロにイッちゃん好みだよね。』

そうやって俺の好みを完全に把握しているリッちゃんが俺を笑っていた。俺はリッちゃんに言い返す根性もない貧弱男だから

『だから、確かに南郷さんには憧れてるよ。すげーカッコいい男だし、仕事もバリバリの人だし。』

と言い訳のように言ってしまう。いじける俺にリッちゃんは

『だから、イッちゃんの好きな人なんだよね。』

と確認するように言って来た。

『好きって…!?だから、あの人男だぞ。』

俺はそんなリッちゃんの言葉に1人でまたしてもパニックになって来る。だけどリッちゃんは

『でも、イッちゃん、一度でも女の子にドキドキとかした事ある?私の胸とか見て触ってエロい状況になってもイッちゃん、勃起とかしないでしょ?』

とか言うから俺は

『女の子がエロいとか勃起とか言うなよ!』

とリッちゃんを叱るように言っていた。リッちゃんが少し寂しげな顔で

『今日は帰るね。送ってくれる?』

と言って来るから俺は車の鍵を持って家からリッちゃんと出ていた。

リッちゃんの家まで車で10分程度だったけど、俺もリッちゃんも何故か気まづくてずっと黙ったままだった。リッちゃんが車から降りる時に俺は

『来週、暇なら手伝いに来いよ。』

と笑って言ってやるしか出来なかった。この時の俺の頭の中はリッちゃんより南郷さんの事でいっぱいだったからだった。
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