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愛されたいから…
第7章 南郷の自宅
俺が幸せな気持ちに満たされて旅館の部屋に戻ると大地がもう布団の上に寝転がっていた。俺は空いた方の布団に入ってからなんとなく少し落ち着かない気持ちになっていた。

いつもなら、俺はさっさと浴衣を脱いで裸で寝てしまうのだが、今夜はそんな俺に慣れた大地の前ですら今更に俺はそれをする事に抵抗を感じてしまう。

だって南郷さんのあの声で俺はまだ身体が火照って疼いていたし、しかもすぐ隣には大地が居るから俺が裸で寝るとかするのを俺は南郷さんが嫌がるような気がしていた。

そうやって落ち着きなく布団の中でモゾモゾとしていた俺の上にいきなり大地が乗って来て

『さっきから何やってんだよ?どうせ浴衣なんか着てたら眠れないんだろ?』

と言って来る。俺は上半身だけを起こして大地に

『そろそろ、そういう子供みたいな癖を直すべきだと思ってさ。こんなんじゃ、仕事で誰かと旅行とか、いつまで経っても出来ないじゃん。』

と拗ねたように言い訳をしていた。大地は呆れた顔で

『馬鹿じゃねぇ?それで寝不足で倒れたりする方がよっぽど子供だぞ。』

と俺の浴衣の襟元を掴んで来た。

『止めろよ…。』

アタフタして俺は大地の手を払い除けようとした時、大地が勢いよく俺の浴衣の前をはだけて来た。

『あんっ…。』

馬鹿みたいに俺は変な声を上げていた。大地の指先が俺の乳首を擦ったからだ。俺の変な声に反応したように大地が真っ赤な顔で俺の手首を押さえ付けて俺の浴衣の帯を剥ぎ取るように引っ張った。

南郷さんの声で疼いていた俺の貧弱な白い身体が大地の前にさらけ出されて大地が荒っぽく俺の首筋を舐めながら俺の乳首を触って来る。

南郷さんになら俺は嬉しくて頭が熱くなって気持ち良くて好きにされてしまうけど、これは大地で男で、俺は男だから気持ち悪いし嬉しくない。

『止めろよ!酔ってんのか?気持ち悪い!』

俺がそう叫んだ瞬間、一気に大地が俺から離れてから

『悪りぃ…、律子と間違えた。』

と赤い顔を背けたまま言っていた。

リッちゃんと間違えた!?

俺は少しふてくされて大地に

『俺をリッちゃんと間違えるくらいリッちゃんが好きなら、早くリッちゃんに気持ち伝えてやれよ。リッちゃん、鈍いから大地から言わないと伝わらないよ。』

と言っていた。
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