この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
愛されたいから…
第7章 南郷の自宅
俺の事なんかどうでもいいくせに…

そんなヤケクソに似た感情で俺は

『遊び相手にそんなにムキになる事ないでしょ?』

と出来るだけ自分を冷静にしようとしながら南郷さんに言っていた。南郷さんは少し驚いた顔で

『イルマを遊び相手にしたつもりはない。』

とか言い出した。

『でも、本気じゃないんですよね?つまりは遊びって事ですよね?』

『それは違う。』

『何が違うんですか?俺にはそれが事実だと思いますよ。』

冷たくそう言い切った俺を押さえ付けて南郷さんが無理矢理に俺にキスをして来る。また南郷さんに流されそうになる自分を振り切るように俺は南郷さんを俺から引き剥がすようにして

『離して…、止めて下さい。』

と言って逃げるように顔を背けていた。南郷さんはそんな俺の態度にかなり辛い顔をして

『俺はお前に本気だよ…。だけどそれはお前が困るだろ?お前の友達や親子さんがお前の恋人が男だとしてもそれを簡単に認めるのか?もし、お前が画家としてもう一度作品を描きたくなった時に、世間に男の恋人が居ますって堂々と言えるのか?』

と切羽詰まった声で俺に言って来た。友達は…、リッちゃんと大地は確かに俺の恋を認めてくれたけど、決して嬉しそうではなかった。

親は、漫画家で俺を溺愛してて…、どちらかといえば寛大な方だけど、彼氏が出来ましたぁ~、なんて事を軽く言えるほど寛大な親じゃない。

大地が俺に鈍いと言った言葉の意味が俺に重くのしかかって来て俺は息が出来なくなって来る。

男だから…、俺が男だからダメなのか?俺が見た目通りにただの普通の女の子だったらこんな風に南郷さんを困らせたりしなかったのか?

そんな自己嫌悪が頭の中をグルグルと回り始める。ただ涙が出て、苦しくて

それでも…

『それでも俺は南郷さんが好きなんだ…、それでも南郷さんの全部が俺は欲しいんだよ。』

そう呟いた俺に黙って南郷さんがもう一度優しくキスをしてくれる。

このまま時間が本当に止まればいいのに…

そう思いたくなる優しくて深いキス。俺はずっとそんな事を考えるしか出来ないダメな男で、ただの駄々っ子のように南郷さんを捕まえる事だけに必死だった。

南郷さんにそんなキスをされながらも俺は南郷さんを困らせている自分の存在に悲しくてただ泣き続ける事しか出来なかった。
/206ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ