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喝采
第1章 ミサ曲ロ短調
「待たせた」
「いや、大して待ってない。意外と早かったな」

 雫石の着替えが済むまでスマホのニュースをチェックしていた谷田部は、スマホをしまい込んだ。

「……なあ、いつまでもあんたっていうのもなんだから、玲音って呼んでもいいか?」
「構わない。ではこちらも拓人と呼ばせてもらう」

 谷田部の申し出はこれもあっさりと承諾され、少し拍子抜けした。意外そうな顔をしている谷田部に、雫石が理由を説明してくれた。

「僕の名字は長い。特に海外の人間には、雫石という名字は難しいらしく、発音に四苦八苦することが多い。だから僕のことは名前で呼ぶ人間がほとんどだ。名前で呼ばれることにも、他人を名前で呼ぶことに対しても抵抗はない」
「なるほど、そういうものなのか」

 しずくいし、と谷田部は小さく声に出してみた。確かに外国人には少し発音しづらいかもしれない。

「どこかいい店に心当たりはあるか? なければ俺の知ってる店にしようと思うんだけど」
「拓人に任せる。だが、なぜ僕を誘う? 斉賀さんに何か言われたのか」

 海外育ちのせいか、雫石は谷田部をまっすぐに見つめて逸らさない。正面から見つめられるのは何となく気恥ずかしく、谷田部はさりげなく視線を外した。

「うーん、それはあんまり関係ないかな。単に同い年だと加藤に聞いていたから、興味があったんだよ。そしてどうせ知り合ったんなら友達になりたかった」
「僕なんかと友達になっても意味がない」

 視線と同様、雫石の言葉はまっすぐだ。まっすぐで、空っ風のように冷たく乾いている。
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