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埋み火
第1章 忍び火
霧子が浜松町で電車を降りると、メールで言っていたように博之は北口改札の外に立っていた。
八月に入り、前回来たときよりもますます駅の構内はまとわりつくような熱気に包まれている。
フレックスを活用して会社を早上がりした博之は半袖ワイシャツと黒っぽいチノパンに履き古した革靴といういかにもこの街のサラリーマンのいでたちで、眼鏡も無骨な金属フレームでおしゃれさもなく、四十二歳相応といった雰囲気だ。
そしていつものように左手にくたびれたビジネス鞄を持ち、右手はスマホをいじっている。
趣味のバンド仲間か、家族にLINEでも送っているのだろう。
八月に入り、前回来たときよりもますます駅の構内はまとわりつくような熱気に包まれている。
フレックスを活用して会社を早上がりした博之は半袖ワイシャツと黒っぽいチノパンに履き古した革靴といういかにもこの街のサラリーマンのいでたちで、眼鏡も無骨な金属フレームでおしゃれさもなく、四十二歳相応といった雰囲気だ。
そしていつものように左手にくたびれたビジネス鞄を持ち、右手はスマホをいじっている。
趣味のバンド仲間か、家族にLINEでも送っているのだろう。