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埋み火
第1章 忍び火
 欲しがる気持ちと、きちんと感じていることを霧子はキスで伝えてくるので、霧子のしとどに塗れる内奥に指を出し入れしながら博之もいっそう舌を絡める。

 唇を離して霧子の顔を見おろすと、薄暗がりの中でも頬が紅潮しているのがわかった。


(女って、こんなになっちゃうんだな。今日もすっげぇ濡れてる)


 抱くと、あまりにも霧子は博之の腕の中で乱れるので最初は演技なのかと疑った。

 ところが、これが本当に感じてしまっているらしく、これほど女が喘いで反応するのを生で見るのは初めてだった。

 たいした経験人数でもなかったが今まで抱いてきた女たちはどう思っていたのだろうか。

 きっと自分の性戯と持続時間では満足できなかったに違いない、きっと演技だったのだろうと自嘲ぎみに思った。

 霧子は喘ぎだすと嘘のように高く鋭い声が出る。喘ぎ声も普段の低めの声もずっと聴いていると下半身が疼く。

 その霧子がどれだけ濡れているのか、博之は見たくなった。
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