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第19章 花、咲きて

追記

【鷹取馨】
　息子の洸と共に、近代における鷹取家の発展の基礎を築いた、鷹取家第二十代当主。
　社会福祉事業にも熱心であったが、それは体が不自由だった兄、鷹取光の影響であったとされている。なお鷹取家系図には鷹取光の名は存在しない。
　妻の翠は鷲尾家の出身である。

【鷹取（旧姓谷山）奏】
　元は光の世話係であったが、のちに男妾となり鷹取姓を名乗る。
　光を亡くした後、高坂翼に師事して医術を学ぶ。
　その後は馨の設立した医学校で教鞭をとり、後進の育成に尽力したという。

【鷹取光】
　鷹取馨の異父兄と伝わるが、系図にその名は残されてはいない。
　体が不自由な上に虚弱であったといわれ、鷹取家の離れで隠れるように暮らし、最期は奏や馨などごくわずかの親しい者に見守られながら、ひっそりと息をひきとったとされる。
　またその亡骸は遺言により、鷹取家代々の墓所ではなく、使用人のための共同墓地に埋葬された。
　鷹取家には小さなうさぎの置物と、アンティークのオルゴールが、光の遺品として今に伝わっている。