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第13章 信じられない

段々と混乱をして来る私に優誠はゆっくりと説明を続けた。

『剣菱の会長は俺の親父の兄貴、つまり俺の叔父に当たる人なんだよ。昔から兄弟で表と裏社会をやっていた親父達なんだ。』

建設業ではよくある話しらしい。私も噂くらいは聞いた事があるし、空だって優誠の会社が建設業ならば危ない人の関係者なのかもと始めは疑っていた。

『御剣の叔父貴には子供が出来なかったんだよ。だから水原の親父の息子である俺が叔父貴の養子になったんだ。水原の跡は多分、俺の弟が継ぐ事になる。』

優誠はゆっくりとまた私の顔を撫でて確認をするように話しをした。

だからパパが２人…、だからややこしいから聞くなと優誠は私に何度も言っていた。

でも…

『それと綺麗な女の人とのわざわざ梅田での出張はなんか関係があるの？』

と聞いた。

だって…、それはそれ、これはこれって何故かそう思った。そこを適当にしたら私はこの先、女としては生きていけない気がしてしまうからだ。

優誠はまた少しだけ嫌な顔をして

『前の組長の時にうちの組は２大分裂を起こして全国を巻き込んで抗争に入ったんだよ。あの人は荒木 月希さんといって関東○○会の現会長の娘さんだ。』

と私に言って来た。

あんなに綺麗な人が組長さんとかの娘さんなんだ！？

とちょっと驚いた。優誠は

『うちの組が関東と兄弟分になる為に俺はあの人と東京で見合いをしていた。だけどあの人には美奈の話しをして彼女の方からこの話しを断ってくれるように俺は頼んでいたんだよ。』

と言ってこの部分だけは私から目を逸らす。ちょっとその態度に頭に来る…。しかも…

お見合い？…。

とかなってしまうかなり不機嫌になった。

いくら断ってもらうにしても出張とか言って私には嘘をついてお見合いをしていたとか信じられない。

そうやって不機嫌になっていく私に優誠は

『俺は表向きは堅気だが俺の家族は裏社会の人間で俺の半分はその世界にいる。』

と少し泣きそうに言った。そして

『結城や佐伯は剣菱の社員じゃない。○○組の水原の組員達だ。』

と続けた。

だから普通の社員さんのような仕事をしていかなかったんだと納得をした。佐伯さん達は会社と組を繋ぐ連絡役のような存在だと優誠が説明をしてくれた。