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第13章 信じられない

私は１通りは優誠の話しを聞いて、それなりには納得はしていたけれど一つだけどうしても許せないとか考えた。

そうやって不機嫌になって怒っている私に優誠は

『俺とはやっぱり別れたいか？暴力団の家族なんか誰だっていやだからな。』

と諦めたように言って来た。私は

『暴力団なんかはどうでもいいよ。問題があるのは優誠の方だ。優誠は俺を信じろって言っといて私に嘘をついた。そうやって嘘をつかれたら私はもう優誠を信じられないよ。』

私ははっきりとそう言った。今度は優誠が固まった。

『お前…、暴力団はどうでもいいって、どうでも良くはないだろ？』

『どうでもいいよ。別に私が組員になるわけじゃないし、それとも優誠が組長になるの？』

『いや…、だから…、俺は表だから…。』

優誠はただ呆気に取られているようだった。でも私は

『だったら本当にどうでもいいじゃん。なのになんで嘘をつくの？私はそっちが気に入らない。』

と言い切った。優誠はため息をついて

『お前の適当主義を俺はなめていた…。』

と言って私にもたれて来た。

そうだ私は筋金入りの適当主義だ。どうでもいい事はとにかく気にしない主義だ。だけど優誠は私にこだわりを教えた。そう私の唯一のこだわりは優誠だ。だからその優誠の嘘が今の私には許せない。

だから私は完全に怒っていた。

『わかった。とにかくそれは俺が悪かった。２度と美奈には嘘は言わない。だからもう怒んなよ。』

『次にやったら本当に別れます。』

私はいつもの適当主義の私に完全復活を遂げていた。

まだ納得が行かない私は

『わざわざ東京にお見合いをしに行ったの？』

まだ不機嫌なまま嫌味のように優誠に聞いてみた。

『その通りだ。関東の会長は一人娘だからな。表社会の人間に嫁に出したいんだよ。』

優誠は私にしつこいぞという顔だった。それでも私はひたすらに不機嫌だ。優誠は

『とにかく嘘をついた件は俺が全部悪い。だけど見合いは断ってもらった話しだし、普通なら暴力団とかこんな話ししづらい事を話さなきゃならない俺の立場も少しは理解をしてくれよ。』

と少し私に懇願するように言った。