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第4章 女にした途端寂しいよ…

これは、この私にあの高級下着やブランドショップで買い物して来いって意味かしら？

『それって、ダメだよ。』

さすがに私はそのカードを返そうとしたけれど優誠はカードなんかには目もくれず

『明日の昼間には結城にお前を迎えに行かせるから暇ならエステも全部行っておけ。週末までに完璧になってなかったら痛い目見せんぞ。』

と言って私を脅して来た。私は一瞬、背中がゾクゾクとした。

そうだった。この人は適当主義の私と違って完璧主義の人だ。どうしよう？だったら私みたいな適当主義の女なんかすぐにポイッと捨てられる？いや、その前に今の私は就活とかしなきゃいけないし…

そうやって色々と勝手に考えてしまう私はまたパニック気味になっていた。

『食ったなら帰るぞ。』

そう言って少し苛立つ優誠がまたぼんやりとする私を急かした。

そうだ、優誠は明日も仕事だから早くしなくっちゃ。

と適当な私は自分のペースが保てずにひたすら優誠に振り回されているだけだった。

翌日は優誠が言った通りお昼過ぎには私の携帯が鳴った。電話では

『結城です。お迎えに上がりました。』

と私は言われて私がマンションの入り口に降りて行くと毎度お馴染みの真っ黒なレクサスが待っていた。

でも運転手さんはあの綺麗な顔の人ではなく少し年配のおじさん運転手さんだ。

私のパパと同じくらいかなぁ？

とか私が考えていたら

『どうぞ。』

と私の為にドアを開けて待ってくれている運転手さんから早く乗れと促されてしまった。だから私は慌ててそのレクサスに乗った。

移動中、黙っているのも空気が重くてその年配の運転手さんに

『優誠の運転手さんって一体何人いるの？』

と私は聞いた。運転手さんは笑顔のまま

『社長の運転手は社員全員が当たり前ですから全国で１万人はおられますよ。』

とそれが当たり前のように答えて来た。

社員の全てが運転手！？どんな会社なのよ！

と住む世界が完全に違う私は叫びたくなった。