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秘密のピアノレッスン
第12章 きよしこの夜
今日は、ツリーがずっと点灯している。

「クリスマスイブだもんね。今日はつけとかないと」
「ふふっ」

ブルーのシャツにアーガイルのベスト、グレーのパンツを、品よく着こなしている。
やっぱり、先生は素敵だ。

先生がくれた、あの甘美な時間。
先生を想うあの気持ち。全部乗せて弾くと、何かが変わるのがわかる。

指先から、先生への想いが溢れて――。

「まあ、良くなった、かな?」

弾き終えると、先生は前回よりは笑顔で、小首を傾げた。
楽譜に、先生の文字が増えていく。増えるたびに、新しい楽譜を用意すればよかったなと思う。
先生の楽譜なのに、私への注意書きが増えるんだもの。

先生にそう言うと、「今後はずっと、一緒に使うからいいんじゃない?」と笑っていた。
二人の未来を思わせるような甘い響き。

「好きだよ。更紗ちゃん」

レッスンが終わって、私たちはすぐに抱き合った。
ツリーが点滅している横で、お互いの体をまさぐりながら抱き締め合って、だんだん激しいキスに変わる。
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