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秘密のピアノレッスン
第12章 きよしこの夜
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さすがに近所なだけあり、ものの5分で祖母の家についた。
忘れ物の確認をして、車を降りようとすると、先生が「忘れ物」と白い何かを渡してくれた。
「これ、携帯ですか……?」
「そう。僕の名義だけど、持っていて。これは、説明書」
分厚い冊子をどーんと渡され、戸惑いながら受け取った。
「君が今すぐ、携帯持つのは難しそうだから。それまで、僕に連絡をくれる時はこれを使って」
「え、でも……」
こんなことまでお世話になっていいのかな……?
先生を見上げたら、唇が柔らかく触れて、「好きだよ」とまたキスを交わす。
熱い唇に、いつまでも触れられていたいけれど――もう時間だ。
車を降り、後ろ髪をひかれながらインターホンを押す。
先生は、私が家に入るのを見届けるまで発進せずにいてくれた。
そんな些細なことでさえ深い喜びに変わる。
屋敷に入ると、お手伝いさんが出迎えてくれた。コートを預けると、「奥様はまだ起きてらっしゃいますよ」と教えてくれた。
おじいさまは随分前に亡くなり、おばあさまは長らく一人暮らしをしている。
パパは一人っ子で、昔は私もこの屋敷に住んでいたらしいが、小さな頃だったので覚えていない。
忘れ物の確認をして、車を降りようとすると、先生が「忘れ物」と白い何かを渡してくれた。
「これ、携帯ですか……?」
「そう。僕の名義だけど、持っていて。これは、説明書」
分厚い冊子をどーんと渡され、戸惑いながら受け取った。
「君が今すぐ、携帯持つのは難しそうだから。それまで、僕に連絡をくれる時はこれを使って」
「え、でも……」
こんなことまでお世話になっていいのかな……?
先生を見上げたら、唇が柔らかく触れて、「好きだよ」とまたキスを交わす。
熱い唇に、いつまでも触れられていたいけれど――もう時間だ。
車を降り、後ろ髪をひかれながらインターホンを押す。
先生は、私が家に入るのを見届けるまで発進せずにいてくれた。
そんな些細なことでさえ深い喜びに変わる。
屋敷に入ると、お手伝いさんが出迎えてくれた。コートを預けると、「奥様はまだ起きてらっしゃいますよ」と教えてくれた。
おじいさまは随分前に亡くなり、おばあさまは長らく一人暮らしをしている。
パパは一人っ子で、昔は私もこの屋敷に住んでいたらしいが、小さな頃だったので覚えていない。
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