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第2章 デート

「ラブホか……」

お兄ちゃんがため息混じりで言った。お兄ちゃんも本当は入りたいんだろうか、私と……。

　お兄ちゃんは何も言わずにしばらく考えていた。

「だよな……帰ろうか。夏芽……」

　お兄ちゃんが私の手を引っ張る。

「私さ……」

　一瞬、時間が止まる。

「うん？」

「いいじゃん。私、ちょっとだけ興味があるの」

　興味というよりも怖いもの見たさ、というのがいいのだろうか？

「えっ？」

　お兄ちゃんがホテルを指差す。

「うん、こういうホテルって泊まったことがないから……ね？　見学だけ……」

　お兄ちゃんも大人の男性だし、見学だけではすまない、気がした。