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ずっと傍に……
第31章 進むべき道…
「ママ?」
暫く自分を自分で抱きしめていると、寝室のドアが開いて友也が入ってきた。
私の姿を見た友也は何も言わずに近づき、小さな腕で私を包み込む。
その迷いのない動きは、私が寂しい思いをしていると分かっているような、そんな行動だった。
何も言わずに抱きしめてくれる友也の温もりに寂しかった心も癒される。
友紀也に伝えたように、私には友也がいる。
友紀也がいない人生は寂しいけど、友也さえいてくれれば私は強く生きていける。
それは今も昔も…これからも変わらない。
「ボクがずっと傍にいるからね。ボクがママを守るからね…」
私の腕の中で友也は力強く言う。
その言葉がうれしくて、友也をギュっと抱きしめた。
「友也…ありがとう」
うれしくて、今度は違う涙が溢れてくる。
夢ならば醒めなければいいと思ったけど、醒めてよかったと思う。
友紀也には悪いけど…今は友也が一番大事。
―――――友紀也…ごめんね。友紀也より友也を大事に思うを私を許して…
そう心の中で友紀也に許しを請いながら、友也の温かさを噛みしめた。