この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第31章 進むべき道…
「まさか…ねぇ…」
自然と零れる言葉。
そう言葉にしても、この身体の倦怠感と満足感は覚えがある。
忘れるはずもない。
愛し愛され、友紀也の腕の中で目が覚めていたあの頃と同じ。
だけど、友紀也はこの世にはいない人。
何度か夢の中で会った事があっても、こんな風に起きてからも友紀也を感じたことは一度もなかった。
だから困惑する。
あり得ないと…
だけど…
「だけど、もしかしたら…」
あり得るかも知れない。
だけど、その確証がない。
全てに置いて、私が感じている事が真実だという確証がどこにもなかった。
「奇跡を信じて…見えるモノだけが全てじゃない…それが口癖だった。」
そして、友紀也だったら奇跡も起こしてしまいそうだと思えてしまう。
「ねぇ…友紀也…」
ここにはいない友紀也に話かける。
ずっと傍にいてくれると約束してくれた。
傍で見守ってくれてると約束してくれた。
「傍にいてくれるんだよね…見えなくても…私を包み込み愛し続けてくれるんだよね?」
もう一度自分自身で自分を抱きしめた。