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ずっと傍に……
第32章 変わる日常…
「友也――!そろそろ起きないと学校に遅れるわよ」
何度声をかけても起きてこない友也にうんざりしながら、部屋の中を覗きベッドの中で丸くなっている友也揺り起こす。
「本当に間に合わないよ。お母さん先に行くからね。ちゃんと起きて学校行ってよね」
揺り動かしても起きないから毛布を奪おうとすると、力強い力で阻止されて友也の顔を見ることはできなかった。
「もう…本当行くからね…戸締りちゃんとして出かけてよね」
諦めて部屋を出て出かける用意をしていると、気だるい恰好をした友也が起きてきた。
あくびをしながらドカッとテーブルの椅子に座ると、作り置きしていた卵焼きを口に頬張り私と目を合わせようともしない。
今に始またことじゃないけど、毎日こうだと嫌になってしまう。
「じゃあ、行ってくるからね」
そう言っても、行ってらっしゃいの一言もない。
諦めていると言えば諦めてはいるけど少し寂しい。
小さい頃はママママと、いつも私の後をついて回り、将来はママと結婚するんだとかわいい事を言ってくれていたのは遠い昔の事。
今は、あんなふうに口も聞かないし目も合わせようとはしない。
恭平さんや小林先生に相談しても中学生の男はそんなもんだからそっとしてればいいと言うだけだった。