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ずっと傍に……
第34章 見えない想い…
「ただいま…」
そう声をかけてもいつもと変わらず返事がない。
「もう遅いから寝なさい」
返事がないのを諦め、バックと上着を椅子に掛け、冷蔵庫から水を取り出し身体に流し込む。
冷たい水は熱く燃え上がっていた身体を冷ましてくれる。
―――――ガツンッ
コップを流し台に置いた瞬間、硬いものが私の額にガツンと当たり、鈍い痛みが頭に響いた。
床を見るとテレビのリモコンが転がっていた。
私に当たったのはリモコンで、投げたのは…
顔を上げると、苦しそうな表情を浮かべて私を睨みつける友也がいた。
「…友…也…?」
何がなんだか分からなくて言葉が出てこない。
なぜ、友也がリモコンを私に投げたのか分からなかった。
ただ…どんなに反抗しても私を傷つけることはなかった友也の変化に戸惑うばかりだった。
友也も何も喋らない。
ただ顔を歪ませ私を睨みつけているだけ…その瞳に今までの友也の優しさは一片も垣間見れなかった。