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ずっと傍に……
第35章 すれ違う心…
「怪我をさせてしまった陽葵への罪滅ぼし…友也なりに反省をしていると言ったところだろうね?まぁ、少し話してくるから待ってて」
そう言って友也の部屋をノックして中に入って行った。
何を話すのか気になって、私は友也の部屋に行き、少し空いている隙間から中の様子を伺った。
『最近、イライラしてるんだってね…自分で理由は分かってる?』
薄暗い部屋の中でベッドに座って話しているのがチラリと見えた。
友也が何を語るのかドキドキしながらも見守るしかない。
『悪いと思ってる?母親に怪我までさせて…手首は不可抗力だとしてもだ…顔にモノを投げつけるなんて男として最低だろう…血が繋がってるから…子供だから母親に何をしても許されると思ってる?』
『思ってない…物を投げたのも悪いと思ってる…俺が手を振りほどいたから怪我もさせた…だから…カレー作った…それしかできないから…』
『それしかできないって…ちゃんと口があるだろう…悪いことをしたらごめんなさいだ。小学生でも知ってる……なぁ…母親が幸せになるのは嫌いか?』
その言葉に、なぜか口を噤んだ。