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ずっと傍に……
第35章 すれ違う心…
『……学校と家の往復だった母さんが飲みに行くようになった…』
どれくらい黙っていただろうか…
友也がポツポツと思いを口にし始める。
それをただ聞くだけしかできない私。
友也が何を思い、この数か月を過ごしていたのかを私は初めて知る。
それだけ、私は友也の心を理解していなかった。
理解しているようで、まったく理解できていなかったことにショックを受けながら、語る友也の言葉に耳を傾けた。
『酔っぱらって帰ってくる母さんは楽しそうで、それが嫌だとは感じなかった。むしろ、笑っている母さんを見てうれしかったし母さんが幸せならそれでいいと思っていた…ずっと…俺だけの為に生きてきた人だから、たまには羽目を外して楽しめばいいと…。けど、出かけるのも頻繁になって…母さんから男の匂いがするようになった…ひとりだから彼氏を作っても問題ないけど…なんとなく嫌だった。けど、俺が何かを言える立場でもない…どうしたらいいのか分からなかった…