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第35章 すれ違う心…

慌てて涙を拭く友也を見て、何も言わずに抱きしめた。
久しぶりに触れる友也にホッとする。
今日ばかりは友也も振りほどくことはなかった。

「友也…ごめんね…何も知らなくて…気がついてあげられなくて…母さんは…ずっと幸せだったよ。友也がお腹の中にいるって分かった時からずっと…幸せで満ち足りてた。友達と遊びに行くより、友也と時間を過ごす方が幸せだった。彼氏を作ろうにも、友也と一緒にいる方が母さんは幸せだった。…今回の事だって…彼の事が好きでも…一番は友也…あなただった…それは変わることはなくて…これからも変わらない…それが糧になってるとも思わない…それに縛られてるつもりもない…友也は私が愛した人の子供…一番じゃない時なんて来るはずがない…」

「母さん…」

「友也…辛い思いさせてごめんね。生まれてこなければいいって思わせてごめんね。すぐに違うって言ってあげられなくてごめんね…友也の苦しみを分かってあげられなくて…ごめんね」